AI技術が急速に進化するなか、OpenAIが提供するChatGPTは、今やビジネスやプライベートで欠かせないツールになりつつあります。そんなChatGPTに、ついにスケジュール機能「ChatGPTタスク（ベータ版）」が追加されました。日々の定型作業を自動化するだけでなく、将来的にはAIエージェントとの連携によって、より高度な自動化が期待されています。
1. ChatGPTタスクとは？
ChatGPTタスクは、指定した日時や頻度でタスクを自動実行してくれる新機能です。たとえば「毎日朝8時に天気を調べて教えて」などと入力すると、その時刻になるとChatGPTが天気情報を取得し、通知で教えてくれます。
- ベータ版の提供状況
2025年1月15日時点では、ChatGPT Plus/Proなどの有料ユーザー限定で利用可能なベータ機能となっています。今後、順次一般公開が進む見込みです。 - 「時間の概念」を取り入れた革命的アップデート
これまでは「ユーザーが指示を出したその時」にAIが応答するスタイルが中心でした。しかし、ChatGPTタスクではAIに「時刻や曜日」といった時間の概念を持たせることができるようになりました。これにより、自動化の幅が大きく広がります。
2. ChatGPTタスクの特徴とメリット
ChatGPTタスクの強みは大きく分けて3つあります。
- 定期的・継続的な情報取得が可能
毎日や毎週、あるいは「特定の日付」など細かいスケジュールを設定し、反復的なタスクを自動化できます。
例：株価やニュース、天気など。 - プッシュ通知やメール通知で見逃さない
タスクが実行されたタイミングで、PCやスマホの通知を通して知らせてくれます。急ぎの情報や日々チェックしておきたいトピックを、自分のほうから見に行かなくても受け取れるのは大きなメリットです。 - 自然言語で操作が簡単
新たに追加された画面でタスクを登録するときも、「何時に何をしてほしいか」を文章で伝えるだけ。チャットのような手軽さで、スケジューリングが行えます。
3. 基本的な使い方
3-1. タスク画面の表示方法
- ChatGPTの画面にログイン
ChatGPT Plus/Proユーザーのアカウントでログインします。 - 「タスク（ベータ）」をクリック
画面右上のプロフィールアイコンをクリックし、メニューから「タスク（ベータ）」を選択。もしくは左メニューの上部に「タスク」の欄がある場合は、そちらをクリック。 - タスク一覧or新規登録の画面へ
まだ機能が解放されていない場合は順次対応となるため、少し待つ必要があります。
3-2. タスクを登録する
- タスクの依頼内容を自然言語で入力
たとえば「毎日午後8時に、翌日の天気を調べて雨が降るかどうか教えて」と入力。 - ChatGPTがスケジュール候補を提案
ChatGPTは自動的に日時や頻度（例：毎日・毎週・特定の日付など）を認識して、タスクとして登録してくれます。 - 保存を選択して完了
保存を押すと、指定したスケジュールでタスクが実行されるようになります。
3-3. スケジュールの編集・削除
- 編集方法
タスク一覧に表示されたタスクのメニュー（点3つ）から「編集」するか、あるいはチャット上で「時間を○時に変更して」などとリクエストすると、自然言語で修正できます。 - 削除・一時停止
同様の画面から削除や一時停止を選ぶだけでOK。
3-4. 通知設定
- デスクトップ版
左下「設定」→「通知」→「タスクのプッシュ/メール」をONにすると、タスク実行時にデスクトップ通知やメールが届きます。 - スマホアプリ版
スマホの「アプリの通知」設定からChatGPTの通知をオンにすることで、同じくプッシュ通知を受け取れます。
4. ChatGPTタスク5つの活用事例
ここからは、実際にChatGPTタスクをどのように使えるか、その具体例を5つ紹介します。いずれも「毎日」「毎週」「特定の日時」など、タスク実行のタイミングを自由にカスタマイズ可能です。
4-1. 株価レポートの定期取得
「毎日13:15にApple、Alphabet、NVIDIA、Microsoft、Facebookの株価を調べて、簡単にレポートをまとめてください」というタスクを登録すると、指定時間になるたびにChatGPTが各銘柄の株価情報を取得し、一言コメント付きで通知してくれます。
- メリット
- 株価チェックの手間が省ける
- 相場急変にもいち早く気づける
- 個別銘柄の情報を集めるよりも手軽
- 注意点
- ChatGPTの情報ソースがどこか、リアルタイム性などは要確認
- あくまで参考レベルとし、実際の投資判断は自己責任
4-2. AIニュースのまとめ配信
「毎日朝7時にAI関連の最新ニュースを5つまとめて送って」と依頼すると、指定時刻にタイトル・要約・URLなどをまとめたリストを自動生成してくれます。
- メリット
- AI分野の急速な進化に取り残されにくい
- 情報源を日々チェックする習慣が自動化
- コツ
- 「ニュースタイトル」「配信日」「URL」など、欲しい形式を具体的に指示すると、より見やすくなる
4-3. モチベーションリマインダー
「毎日13:40に“スマホばかり見てないで仕事しろ”と厳しく叱って」とセットしておくと、指定時間になるとスマホに厳しめのメッセージが通知されます。
- メリット
- ついSNSや動画に時間を使いすぎる方へ、強制的な意識づけ
- AIからの叱咤激励が面白い刺激になる
- 応用
- 優しいトーンでメッセージを送ってもらう
- 毎日目標をリマインドしてもらう
4-4. おもしろ雑学の定期配信
「毎日夕方18時に雑学を1つ教えて」と設定すると、何かと話のネタになるミニ情報が通知されます。たとえば「カップヌードル発明者の豆知識」など、日常のちょっとした雑談に役立つかもしれません。
- メリット
- 雑学を通じて視野が広がる
- 普段興味のないジャンルに触れられる
- 楽しみ方
- 家族や友人と共有して会話に花を咲かせる
- SNSへ「今日の雑学」として発信するネタに
4-5. 特定サイトの更新チェック
「毎日1:50に〇〇ウェブサイトを確認して、新しい記事が投稿されていれば教えて」とすることで、自分がウォッチしたいブログやニュースサイトの最新記事を見逃しません。
- メリット
- RSSリーダー的に利用できる
- 更新頻度が高いサイトを効率的にチェック
- 注意点
- すべてのサイトに対応できるわけではない可能性
- 記事内容が長文の場合は通知が多くなりすぎるかも
5. ChatGPTタスクとAIエージェントの未来
ChatGPTタスクでは、「時間を指定して実行する」という観点が加わったことで、今後はAIエージェントとの連携がより注目されています。
5-1. AIエージェントとは？
AIエージェントとは、ユーザーが一度指示を与えると、その後は自律的に作業をこなすAIシステムのこと。たとえば、以下のような流れを自動化できます。
- 自動で指定サイトから情報を取得
- データを解析し、結論や提案をまとめる
- ユーザーへレポートを提出
5-2. 時間軸を持つAIエージェント
一般的なAIエージェントは「ユーザーからの指示があるとき」に作動するものが多いです。しかし、ChatGPTタスクで時間の概念が取り入れられたことで、「毎日◯時にAIエージェントを起動させる」といった新たな使い方が想定されます。
- 具体例
「午前9時にSNSのAI関連投稿をスクレイピングし、注目度が高いニュースを抽出して、分析結果をまとめて送る」など。 - OpenAIのオペレーター・プロジェクト
OpenAIは「ブラウザを自動操作する」技術を開発中とされ、これが実現すればさらに高度な自動化が可能になると期待されています。
6. 今後の展望と注意点
6-1. 今後の進化と可能性
- より多様なスケジュール管理
毎日・毎週だけでなく、月次や年次など多様な周期設定が可能です。誕生日や記念日などに合わせたメッセージ送付といった応用も出てくるでしょう。 - 外部サービスとの連携が加速
将来的に他のAPIやプラグインと連動すれば、Googleカレンダーとの同期や、Slackなどへの自動投稿も現実味を帯びてきます。
6-2. ベータ版ゆえの制限
- 一部バグの存在
設定画面から日時を変更しようとすると上手く動かないケースが報告されています。チャット上で自然言語による変更を試すほうがうまくいくことも。 - 対応ユーザーの制限
現在は有料プランユーザーが優先的に試験利用しており、無料ユーザー向けには未公開。順次拡大が見込まれますが、使えるようになるには時間が必要かもしれません。 - リアルタイム性の精度
ChatGPTが参照する情報ソースや更新頻度によって、通知の精度にばらつきが出る可能性があります。特に株価や天気など、リアルタイム性が重要な情報は、公式ソースでの確認も併用が必要です。
7. まとめ
ChatGPTタスクは、これまでの「対話型アシスタント」から大きく進化した機能です。
- 指定時間に自動で情報を取得し、通知してくれる
- 毎日や週ごとなどスケジュール設定が多彩
- 活用事例はニュース取得からモチベーションリマインドまで幅広い
さらに、AIエージェントとの連携が進めば、「時間軸」を含めた高度な業務自動化が実現するかもしれません。ChatGPTを中心に、AIがブラウザ操作やデータ分析までこなしてくれる未来は、もはや遠い話ではないでしょう。
本記事で紹介した活用事例はあくまで一例です。実際にはアイデア次第で、スケジューリング×AIの組み合わせによる効率化は無限大に広がります。定期的に天気や株価をチェックするだけでなく、ビジネスレポートの作成や、自分へのリマインドメッセージなど、「人が面倒に感じる繰り返し作業」をどんどんChatGPTタスクに任せてみてください。
- ChatGPTタスクのポイント
- 自然言語による指示が可能
- スケジュール機能でタイミングを自由に設計
- プッシュ通知やメール通知で見逃し防止
- 今後のAIエージェント連携でさらなる可能性
ChatGPTタスクは現在ベータ版ですが、早い段階で使いこなしておけば、正式リリース後に先行者メリットを存分に活かせるでしょう。ChatGPT Plus/Proユーザーの方は、ぜひこの新機能をいち早く試してみてください。
本記事が、あなたのビジネスや日常でのChatGPTタスク活用に少しでも役立てば幸いです。時間を味方につける新時代のAI活用、ぜひチャレンジしてみましょう。