
1)まずは1分で全貌を:なぜ「根性営業」が「仕組み」に負けたのか
フォーム営業を 500件。
返ってきた商談は 1件。成約率 0.2%。
月間の問い合わせは 2件以下。
数字だけ見ると、「営業の努力が足りない」に見えるかもしれません。
でも、現場で起きていたのは別の問題でした。ターゲットが曖昧で、言葉がズレていた。だから届かなかった。ここを直した結果として、接点が増え、商談が増えた。これは“偶然”ではなく“必然”です。
課題:
フォーム営業500件で商談1件(0.2%)。問い合わせは月2件以下。現場はコピペ営業で疲弊し、打ち手が尽きかけていました。
施策(3つ):
- 「薬局オーナーが買う理由」に翻訳
研修を“福利厚生”ではなく、ムダ削減×定着率(エンゲージメント)改善×リスク低減の「経営の仕組み」として再定義 - 押し売りをやめて、「相談が来る入口」を作る
無料ウェビナー(月2回)+ホワイトペーパーで、まず“判断材料”を渡す - 「関係性の温度」を上げ続ける導線を最小構成で実装
業界特化広告→LP→メール→相談→紹介の流れを整備
※この“翻訳と制作”は、生成AIを 超高性能な翻訳機・作業機として組み込み、初速を出した
結果:
- Before:フォーム営業500件→商談1件(0.2%)
- After(1ヶ月):ウェビナー申込30名以上/資料DL 月50件以上/新規商談 月3件
- 広告の費用対効果:2.5倍に改善/ウェビナー参加率:従来比3倍
再現手順:
- 決裁者を固定(薬局オーナー/本部長/エリア責任者のどこを獲りに行くか)
- 研修価値を「現場の良さ」ではなく経営の数字(採用・定着・生産性・リスク)に置き換える
- 無料ウェビナーで“同業の悩み”を扱い、売り込みは最後に回す
- その内容をホワイトペーパー化し、社内回覧できる状態にする
- ウェビナー後はメールで“温度”を上げ、相談のタイミングを作る
- 生成AIで、文章・資料・台本の初稿を高速で揃え、人は監修に集中する
2)社長、社員に「ゴミ箱行き確定」のメールを何千件も書かせていませんか?

フォーム営業500件。
担当者は毎日、同じ文面を少しだけ変えて送る。
送っても返事は来ない。
現場の空気はこうなります。
「これ、読まれてすらいないよな…」
その“確信”が積み上がっていく。静かに。
経営者から見ると「営業が弱い」に見えます。
でも現場はもっと正直です。ゴミ箱行きが確定しているメールを、手を動かして投げ続けている感覚です。目が死にます。会話が減ります。離職が近づきます。
そして厄介なのは、ここからです。
現場が疲弊してくると、経営者の孤独が増える。
「良いサービスのはずなのに、誰も振り向かない。俺の判断が間違っていたのか」──この自問が始まります。
「良いものを作れば売れる」——新規事業が落ちる定番の穴
今回のクライアントは、名古屋中心に 20〜30店舗 を展開する調剤薬局チェーン。
現役薬剤師が設計・登壇する、実務直結の研修事業を立ち上げました。中身は本当に良い。現場の“きれいごとでは回らないところ”まで踏み込めている。
それでも売れない。
理由は単純です。「現場の言葉」で作った価値が、「経営の言葉」に変換されずに外へ投げられていた。B2Bでこれは致命傷になります。
オーナーの本音の恐怖:「研修したら引き抜かれる(投資の持ち逃げ)」
ここ、経営者ほど言いづらいですが、薬局オーナーの核心はこれです。
- 研修で育った薬剤師が、給料の高い他店に移る
- つまり、投資が回収される前に消える
- だから研修は「必要かも」でも「今じゃない」に落ちる
この恐怖がある以上、研修を「スキルアップの良い話」として売ると負けます。
勝ち筋は、こう切り替えることです。
研修=スキルアップ単体ではなく、現場のムダを削り、働きやすさと成長実感を作り、定着率(エンゲージメント)を上げる“経営の仕組み”として設計する。
引き抜きリスクに対しては、「辞めない仕組み」と「辞めても回る仕組み」を同時に作る。ここが本質です。
3)「30分の魔法」ではない。これは“診察”だ:20〜30店舗規模が必ず詰まる「言葉の壁」
「30分で解決」ではありません。
ただ、20〜30店舗規模になると、ほぼ例外なく起きる“病気”があります。
現場と経営の言葉の壁です。
- 現場:困りごと/手順/失敗例/患者対応/時間が足りない
- 経営:採用/定着/生産性/事故リスク/教育コスト/管理職層の厚み
ここがズレたまま新規事業を外に出すと、営業は地獄になります。
私は15年この手の案件を見ていますが、ヒアリングで数個質問すると「詰まり」はだいたい見えます。魔法ではなく、診察です。熱を測って、痛い場所を押して、原因を特定する。それに近い。
診察で見えた3つのズレ(ここを直すと、数字は動く)
- 誰に売るかが曖昧
「薬局向け」は広すぎます。オーナー/本部長/エリア責任者で刺さる言葉が違う。まずここを固定しました。 - 研修が“福利厚生”に見える構造
現場の良さは伝わっても、決裁が動く理由になっていない。そこで研修をこう定義し直しました。
- スキルアップ → ムダ削減(現場の詰まりを取る)
- 研修の価値 → 定着率(エンゲージメント)を上げる仕組み- 研修投資 → 採用・教育コストと事故リスクを下げる経営施策
- 接点が“押す”しかない
フォーム営業は押しです。押し続けると疲弊します。
だから「営業しなくても向こうから相談が来る状態」を作る。具体策は 無料ウェビナー+ホワイトペーパー です。
なぜウェビナーとホワイトペーパーが刺さるのか(薬局オーナーの頭の中)
薬局オーナーは慎重です。理由は「現場を動かすコストが高い」から。
だからいきなり提案されても動けない。刺さるのはこの順番です。
- まず無料で、論点整理だけできる(ウェビナー)
- 社内で回せる判断材料が手に入る(ホワイトペーパー)
- ここで初めて「相談」の形になる
そして、ここでAIが“現場の救世主”になる(生々しい話をします)
この戦略転換で一番重いのは、実は「言葉の翻訳」と「制作物の量」です。
ウェビナー企画、台本、スライド、LP、ホワイトペーパー、メール文面。普通にやると数週間〜3ヶ月、平気で溶けます。
ある日、Zoomの画面共有でクライアントが見せてきた会議メモが、正直ぐちゃぐちゃでした。箇条書きが途中で途切れて、薬剤師用語が飛び交って、余白に手書きの補足。
「これをオーナー向けの資料にまとめるの、誰がやるんですか?」と聞いたら、空気が止まった。担当者の顔が曇る。……分かるんです。これ、自力でやると燃え尽きます。
そこで、そのメモをその場で生成AIに投げました。
30秒で、ホワイトペーパーの章立てと見出し案が出てきた。
クライアントが画面を二度見して、少し笑って、「え、これ…もう形になってるじゃないですか」と言った。あの驚いた顔は忘れません。
正直に言います。この施策を人力で全部回そうとすれば、担当者は過労で辞めます。
だからこそ、AIという「疲れない作業員」が必要なんです。
AIは魔法の杖ではありません。でも、翻訳と下書きと量産には、容赦なく強い。人は判断と監修に集中できる。ここが勝ち筋になります。

4)まず“商談1件を作る時間”が激減した
派手に見える数字ほど、経営は構造で見た方がいい。
このケースで一番効いたのは、商談1件あたりの営業コスト(時間)が落ちたことです。
事実(Before→After)
Before
- フォーム営業:500件
- 商談:1件(0.2%)
- 月間問い合わせ:2件以下
After(1ヶ月)
- ウェビナー申込:30名以上
- 資料DL:月50件以上
- 新規商談:月3件
- 広告費用対効果:2.5倍に改善
- ウェビナー参加率:従来比3倍
「相談の入口」を作ったことで、月2件以下だった接点が、ウェビナー+資料DLで月80件規模に増えた。
しかもテーマが業界特化なので質が高い。商談が増えるのは自然です。むしろ、増えない方が不自然。
商談1件あたりの営業コスト(時間)はどう変わったか
経営判断として重要なので、前提を置いて見ます。
- フォーム営業1件:5〜10分(調整・送信・記録)
- 500件:約42〜83時間
- 商談1件:42〜83時間/商談1件
ウェビナー側は初回準備が重い。ただし資産になります。
- ウェビナー1回:準備+運営+フォローで8〜12時間(初回想定)
- 月2回:16〜24時間
- 商談が月3件:5〜8時間/商談1件
同じ成果を出すほど、時間単価が改善していく。押し営業は逆で、やるほど摩耗します。
ここが「仕組み」の強さです。
「投資の持ち逃げ」が怖いオーナーへ:研修ROIの定義を変える
オーナーが怖いのは引き抜きです。だからROIは「スキルが上がった」では弱い。
こう定義し直します。
- 辞めにくくする:仕事の詰まりを減らし、管理職が育ち、現場が回る
- 辞めても回る:標準化・引き継ぎ・教育の仕組みを作る
- 採用・教育コストを下げる:採用費だけでなく、育成期間の生産性損失を減らす
計算式はシンプルでいいです。
(採用コスト+育成期間の生産性損失+管理者の負荷)×離職人数
ここが下がれば、研修は福利厚生ではなく投資になります。
5)社長の孤独を終わらせる一手は「属人的な営業を、仕組みに変える」ことです
この事例が示しているのは、成功の自慢ではありません。
多くの経営者がハマる構造欠陥——
- ターゲットが曖昧
- 現場の言葉のまま外に出る
- 押し営業で疲弊する
- 研修の価値が“福利厚生”に沈む
- 引き抜き恐怖を放置する
——これを直しただけです。
でも、直せば効きます。数字は動きます。人も守れます。
やるべきは、次の3点に尽きます。
- 決裁者に合わせて言葉を変える(翻訳する)
- 相談が来る入口を作る(ウェビナー/資料)
- 関係性の温度を上げ続ける仕組みを回す(メール/紹介/再接触)
そして、その一連の“翻訳と制作”は、生成AIで一気に軽くできます。
AIは魔法ではありません。
でも、疲れない。折れない。文句を言わない。下書きを出し続ける。ここが効くんです。
もし今、社内でコピペ営業が始まっているなら、止血が先です。
500件→1件は努力不足ではなく設計ミス。
設計を直せば、数字は動きます。
そして何より、社員の目が戻ります。社長の孤独も、少し軽くなります。

