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仕組み採集 Shikumi Field Notes

世界のAI起業家から、次に試す仕組みを集める。

日々の採集 Field note

Pieter Levelsは速く作る。そのあと何を買い続けるのか

今回の焦点Focus

自作で減る利用料と、維持する仕事の範囲

作れるものが増えたら、何を自分で作り、何を買い続けるのか。Pieter Levelsは10月2日、新しい案を思いつくより速く開発できるようになったと投稿しました。9月の支出削減の報告と合わせると、作る速さの先に、維持する仕事の選び方が見えてきます。

今回採集する仕組み

自作する機能を選ぶときは、減る利用料に、増える運用・保守・確認を並べる。最初に作れるかに加えて、使い続けられるかで範囲を決める。

速く作れるという本人の観察

2026年10月2日の本人投稿は、開発する速さが新しい案を思いつく速さを上回る、という短い観察です。開発速度を比較した実験や、誰もが同じ速さで作れるという結果ではありません。

それでも、事業を考える問いは変わります。作ることに時間がかかる間は、着手する案を厳しく絞る必要があります。早く試作品を作れるようになると、動かしたあとに残る仕事まで含めて、選び直す必要がある。以下は、その視点で過去の本人報告を読む考察です。

月額支出の削減を、項目ごとに見る

Pieterは9月9日の投稿で、自作やAIへの置き換えによる支出削減を列挙しています。サービスの利用料と人件費が混在するので、ここでは月額の数字がある四つの項目を選び、同じ単位で並べました。

Pieter Levelsの本人申告による月額支出削減。サイトのモデレーション約1万米ドル、顧客サポート5千米ドル、不適切画像検出約2,500米ドル、画像リサイズ約1,500米ドル。選んだ4項目で、純利益や全体合計ではない。
本人が報告した四項目の比較。出典は2026年9月9日、確認日は10月4日。追加のAPI・サーバー・保守費を差し引いた実測値ではありません。
グラフの数値を表で読む
本人申告の月額支出削減額、米ドル/月
選んだ項目報告額
サイトのモデレーション約$10,000
顧客サポート$5,000
不適切画像の検出約$2,500
画像リサイズ約$1,500

顧客サポートの置き換え先には、既存サービスのFeaturebaseとAIボットも含まれています。全部を一から自作したという報告ではありません。また、グラフの数字を足しても、本人が挙げた全サービスの内訳や純利益にはなりません。

別の9月9日の投稿では、月249米ドルのプランを、自作した仕組みへ置き換えて月1米ドルにしたと説明しています。ただ、その1米ドルは通信量の料金です。既存サーバーを持つ前提まで含めた全運用費が1米ドル、という比較にはできません。

買い続ける仕事もある

同じ支出削減の投稿で、Pieterはドメイン、メール、ストレージ、サーバー、AIモデルを買い続けると書いています。自宅で機器を管理したり、メールやドメインの事業者になったりするところまでは広げたくない、という本人の線引きです。

編集側の解釈では、この線引きの方が、削減額をそのまま真似するより使いやすい材料です。日々の処理を作り替えることと、その処理を支える基盤を運営することは、必要な仕事が違います。

自作する範囲を選ぶための確認項目(編集側の整理)
見る項目自作を試せる条件範囲を広げる前に確認すること
処理入出力が決まり、小さく切り出せる例外や失敗を人が確認できるか
費用使う量と現在の支出が分かる追加のAPI・機器・運用時間はいくらか
運用止める・戻す方法を持てる障害、更新、問い合わせを誰が扱うか
判断結果を元の方法と比べられる誤りを含めても用途を満たすか

利用料が減っても、維持する仕事が増える。その仕事を含めて引き受けられる範囲なら自作を続け、引き受けにくい部分は既存サービスを使う。自作と購入を機能ごとに選べます。

大きな収益数字の中身を分ける

過去の観察には大きな収益の数字もあります。Pieterの9月23日の投稿は、年間1,000万米ドルを超えたと述べていますが、これは事業売上と投資益を合算した本人の報告です。

9月23日の本人報告を読むときの区別
本人が示したもの扱える範囲
年間の売上と投資益、計1,000万米ドル超合算値。事業の年商や年間入金だけの数字ではない
事業の売上、月20万〜25万米ドル本人の月次売上の説明。すべてが継続課金という意味ではない
投資益の多くは未実現相場で動く評価益を含む。確定した入金とは違う

この合算値を12で割ってMRRを作ったり、事業の利益と呼んだりはできません。事業の運用を参考にするなら、売上の種類を分け、その仕事に必要な費用と時間を見る方が、試す判断につながります。

一つの機能で費用と保守を確かめる

試すなら、繰り返している処理を一つだけ切り出し、元の方法へ戻せる状態で比較します。現在の利用料、使う量、確認にかかる時間を先に残し、自作後はAPI代と、直した回数・時間も記録する。

判断するのは、動いたかに加えて、費用と手戻りを含めて用途を満たすかです。修正や監視の負担が増え続けるなら、任せる範囲を縮める。十分に使えると分かるまで、止まると困る基盤まで同時に置き換える必要はありません。

出典と確認範囲

確認日は2026年10月4日。10月2日の開発速度の投稿と、9月9日・23日の本人報告を確認しました。グラフは過去の自己申告を再確認して作ったもので、新たな削減実績ではありません。費用や売上の監査、本人のサービスの置き換え試験は行っていません。金額は米ドルで、円換算や投資配分の提案はしていません。