日々の採集 Field note
Greg Isenbergに学ぶ、買う人がいるかを作る前に確かめる方法
今回の焦点Focus
検索・不満・発注から、作る前に確かめる証拠を決める
「便利そう」と言ってくれる人がいても、買ってもらえるとは限りません。Greg Isenbergのアイデア探しから学びたいのは、誰がどんな仕事に時間やお金を使っているかを、作り始める前に調べる方法です。
今回は、2025年6月10日と20日の本人記事を読み直します。確認日は2026年10月6日。今週発表された新しい手法ではなく、以前から公開されている考え方です。
毎回のコピー&ペーストに、商品のヒントがある
6月10日の記事で、Gregはアイデアを見つける方法を20通り挙げています。ツール間で繰り返すコピー&ペースト、不満が書かれたプラグインのレビュー、掲示板での道具探し、何度も募集される仕事。普段の作業で面倒が起きている場所を探す、という提案です。
この探し方なら、「AIで何か作りたい」という広い問いを、「この担当者は毎週、何をどこへ転記しているのか」まで絞れます。ただ、見つけた不満や検索の伸びには、それぞれ限界があります。次の表は、記事をもとに編集側で整理したものです。
| 拾った手がかり | そこから読めること | 次に確かめること |
|---|---|---|
| AIが挙げた面倒な仕事 | 調査する課題の候補 | その仕事を実際にする人がいるか。直近はどう処理したか |
| 検索の関心が上昇 | 指定した期間・地域での相対的な関心 | 何を知りたくて検索したのか。解決に費用をかけているか |
| 公開レビューや掲示板の不満 | 特定の利用場面で困った人がいること | 問題の頻度と重さ。既存の方法を変える理由があるか |
| 同じ業務の発注が繰り返される | その仕事を外部へ頼む動きがあること | 実際に依頼が成立したか。募集予算と支払額は一致するか。道具への置き換えを望むか |
検索が増えた理由は、買いたいからとは限らない
Google Trendsの100は、検索100件という意味ではありません。Googleの公式説明によると、指定した期間・地域での検索全体に占める割合を、0〜100で表した相対値です。同じ100でも地域によって検索総数は異なり、少ない検索は0と表示されることもあります。
ニュースを見て言葉の意味を調べた人と、仕事を頼む先を探している人は、同じキーワードで検索するかもしれません。検索が増えたことだけでは、商品を買う人が増えたとは分かりません。
繰り返し出ている求人や業務の募集も、もう少し確かめたい材料です。実際に依頼が成立したのか、募集予算はいくら支払われたのか。そして依頼主が欲しいのは道具なのか、例外の判断まで任せられる人なのか。ここを聞かずに自動化すると、欲しかったものと違う商品になりかねません。
「買いますか」より、最後にした仕事を聞く
6月20日の記事で、Gregは「自分がSaaSをゼロから作るなら」という仮定の手順を示しています。よく知っている領域を選び、5人に話を聞き、何に時間とお金を使っているかを調べるという案です。実行して得た売上の報告ではありません。
聞き取りでは、最後にその仕事をした日、かかった時間、使った道具や費用、やり直した箇所を聞くと、具体的な状況が分かります。「あれば使いたい」という将来の答えに加えて、すでに起きた行動を確かめます。5人の話は課題を知る入口で、市場全体の需要や成約率を推定する人数ではありません。
GregはIdeaBrowserについて、Facebookグループ、Reddit、Google Trendsを調べると説明し、アイデアを「検証済み」と表現しています。今回、商品本体は取得できませんでした。その言葉だけで、現在の機能や検証方法、成約実績まで確認できたとは言えません。
一つの仕事を、まず手作業で試してもらう
自分の事業で試すなら、職種と作業を一つずつ選びます。公開レビューなどのURL、投稿日、困っている作業、今の対処方法を残し、同じ投稿の転載を別の人の声として数えないようにします。無料で解決できる方法や、問題なく使えている例も探してください。
そのうえで当事者に話を聞き、小さな見本を一度使ってもらいます。たとえば公開情報を使った週次の競合比較なら、最初は手作業でも作れます。先に比較する範囲と見本を見せ、使った後の修正、所要時間、もう一度頼みたいかを確かめます。これは編集側の試し方の案です。
同じ範囲の仕事で、時間や修正が減り、再び使われるなら作り込む候補になります。試した人数を分母にして記録し、有料で試す場合も、支払いと継続利用を分けて残します。たまにしか起きない問題や、無料の方法で十分な仕事なら、開発を止める判断もできます。人に判断を任せたい仕事なら、道具よりサービスが合うかもしれません。
Gregから持ち帰りたいのは、案を大量に出すことだけではありません。次に誰へ、何を聞けば、作るかどうかを決められるのか。その質問を具体的にする方法です。
出典・確認日
本人記事の発表日は2025年6月10日・20日、再確認日は2026年10月6日。GoogleのFAQは発表・更新日を確定できていません。前回調査の10月4日から6日までに読めた資料では新発表を確認できず、IdeaBrowserの取得に失敗しました。YouTubeとLinkedInの最新発信も網羅できていません。