日々の採集 Field note
Marc LouのMailCheapに学ぶ、AIへ原稿を確認させるタイミング
今回の焦点Focus
確認する原稿の版を決め、元資料と照らした結果を残し、変更後の確認範囲を決める
AIに原稿を見てもらうなら、まず「この版を確認する」と決める。Marc Louのニュースレターサービス、MailCheapの更新には、AIへ確認を頼むタイミングを考える手掛かりがあります。
書きかけを読むのか、送る原稿を読むのか
MailCheapは、ニュースレターを作成し、配信するためのサービスです。10月23日の公開コードの更新では、画面の確認ステップを開いたときにAIへ原稿を読ませる処理をやめ、送信・予約の操作を始めるときに確認する形へ変えています。書いたり、画面のステップを移ったりするだけでは、新しくAIを呼びません。
同じ確認対象の内容には、保存した確認結果を使います。件名や本文などが変われば、変更後の内容を確かめる仕組みです。公式ヘルプでも、原稿を変えずに予約配信する場合は、配信時にもう一度読み直さないと説明しています。10月23日の変更記録、公式ヘルプ
ただし、別のAPI操作で明示的に確認を頼む方法は残っています。設定やAI側の障害による例外もあり、どの環境でも必ず一回だけ動くという意味ではありません。ここで確認したのは公開コードと説明で、実際の配信テストはしていません。
確認の回数を、仕事の区切りに合わせる
この変更を選んだMarc自身の詳しい理由や、待ち時間・費用がどれだけ減ったかは、今回の資料では確認できませんでした。読み取れるのは、書いている途中の操作と、送るための確認を分けたことです。
自分の仕事でも、いったん原稿をまとめてから確認を頼む方法が考えられます。書き直すたびに全文の確認を頼むと、後からどの版への指摘か分からなくなることがあります。「どの原稿を、何と照らした結果か」を残せば、人も確認を続けやすくなります。
MailCheapの助言は、件名の強すぎる表現など、迷惑メールとして扱われやすい書き方を対象にしています。事実関係を出典と照合する校閲とは別です。確認する版を決める考え方は、手元の原稿を出典と照合する仕事にも応用できそうです。
公開記事から作った下書きを、一版ずつ確かめる
ここからは編集側の提案です。最初は、公開記事一本を材料に作った短いメルマガ原稿を対象にします。元記事と出典、下書き、誰に何を伝えたいかをAIへ渡し、下書きに「確認用v1」と名前を付けます。顧客情報や非公開の資料は使いません。
| 項目 | AIに書いてもらう内容 |
|---|---|
| 確認した版 | 原稿名と、読めた元記事・出典 |
| 直す候補 | 該当する一文、問題の理由、元資料の箇所 |
| 修正案 | 意味を変えずに直した文。根拠が足りなければ未確認 |
| 残る判断 | 人が元資料を見て決める点 |
依頼文は、次の形で使えます。
対象:確認用v1。<元記事のURLと確認日、出典、下書き、読者と目的を渡す>
先に、資料と原稿のうち読めたものを報告してください。その後、数字・日付・条件・誰の主張かが元資料と合うかを確認してください。指摘ごとに、原稿の一文、根拠の箇所、問題の理由、修正案を並べてください。読めない資料は未確認としてください。
全文を書き直さず、確認した原稿名と残る判断を最後に示してください。送信・予約・公開はしないでください。
直した後は、何を確認し直すか
人はまず、AIが挙げた元資料を開き、数字や条件、引用した人が合っているかを見ます。AIの指摘が正しければ直し、変更した版を「確認用v2」として残します。
次の依頼にはv1、v2、変更した理由、同じ元資料を渡します。変更箇所と、その変更で意味が変わる周りの文を確認させます。料金や期間を変えたなら、本文中の比較や結論も見直します。元資料自体が更新された場合や、大幅に構成を変えた場合は、全文を再確認します。
存在しない出典を挙げた、読めなかった資料を確認済みにした、直す過程で条件を落とした。こうした場合は差し戻します。使う文の根拠を人が照合でき、重要な未確認事項がなくなれば、校閲は完了です。配信の実行は別に判断します。
最初の一回では、人が照合に使った時間、根拠のない指摘、修正後も残った誤りを記録します。確認回数が減っても見落としが増えるなら、確認範囲を広げます。この方法による時短や精度の改善は、まだ測っていません。
出典と確認範囲
- MailCheap:原稿を確認するタイミングの変更(2026年10月23日19時46分50秒、日本時間)
- 同じ版の確認結果を扱う公開コード(上記の更新時点に固定)
- MailCheap公式ヘルプ:Sending and scheduling(公開日不明、2026年10月24日確認)
前回の10月15日から24日までを調査し、22日の予定分を24日に補いました。Marcの発信と製品の公開記録を確認した範囲で、全投稿・全機能を検証したものではありません。原稿の版名、校閲の依頼文、人の照合方法は編集側の未実施案です。