日々の採集 Field note
Marc LouのTrustMRRは、売上の一覧から事業の売買へつなぐ
今回の焦点Focus
比較可能な収益データから掲載・取引へ進む導線
事業を買いたい人が、最初に売上を見比べられる。Marc LouのTrustMRRは、決済サービスのデータを使った収益一覧を無料で公開し、その先に事業の売買を用意しています。
参考にしたいのは、比較できる情報を見せた後、詳しく知りたい人にどんな仕事を提供するかです。ただし、売上が確認できても、利益や引継ぎのしやすさまで分かるわけではありません。
確認済みの売上でも、数字の意味は確かめたい
公式FAQによると、TrustMRRは接続した決済サービスなどからデータを集め、収益を表示します。基本の閲覧と収益データベースへの掲載は無料です。
一覧には累計売上、直近30日の売上、MRRなどが並びます。MRRは月額換算した継続収益です。それぞれに見ている期間や対象が違います。
| 指標 | 見るもの | それだけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 累計売上 | 対象の接続データで積み上がった売上 | 現在の月次規模や今後の売上 |
| 直近30日の売上 | その期間の売上 | 毎月続く契約からの売上の割合 |
| MRR | 月額換算した継続収益 | 手元の現金や、費用を引いた利益 |
| 利益・運用情報 | 費用や作業の別資料 | 収益データの接続だけでは確定しない |
FAQでは、決済サービスによってMRRや返金の扱いが違うことも説明しています。同じ列にある数字でも、定義を読んでから比べる必要があります。接続したデータに売上があっても、経費を引いた利益、運営にかかる時間、契約や資産を移せるかは別に調べる仕事です。
無料の一覧から、売り手と買い手が出会う場へ
収益の一覧の先には、事業を売りたい人が掲載し、買いたい人が探す市場があります。売り手向けページは、基本の収益を先に見せることで、関心を持つ相手との確認を進めやすくすると説明しています。
| 掲載項目 | 掲載値 | 読み取れる範囲 |
|---|---|---|
| 買収件数 | 185件 | 過去365日という期間表示あり |
| 買収総額 | 110万米ドル | 集計期間の詳細は本文から確定できない |
| 買収までの平均時間 | 23日 | 対象案件や外れ値の扱いは不明 |
この3つはサービス側の集計です。185件には過去365日という期間表示がありますが、110万米ドルの集計期間、23日の対象案件や外れ値の扱いは不明です。独立した取引記録との照合もしていません。「載せれば23日で売れる」という約束にはできません。
一覧を見て候補が気になれば、詳しい運用や費用を知りたくなります。売り手には掲載を目立たせる方法や、取引を進める支援が必要になります。TrustMRRは、その後に生まれる仕事を有料で扱う構成になっています。
掲載の料金と、取引が成立したときの料金
掲載枠の料金は一回払いです。取引が成立した場合の手数料とは別に、次のように案内されています。金額は2026年10月4日の掲載条件です。
| 項目 | 掲載条件 | 何に対する料金か |
|---|---|---|
| 売却掲載の有料枠 | Starter $29 / Growth $199 / Scale $499、一回払い | 掲載・露出の枠 |
| TrustMRRの成約料 | 取引額の3%、売買双方で折半 | 取引成立。売り手・買い手の負担は各1.5% |
| Escrow.comの費用 | 別途加算、双方で折半 | 取引の決済・預託。取引額で変わる |
売り手向け比較表には「Seller success fee 4–6%」という表記もあり、専用の料金ページと一致していません。ここでは専用ページの3%を記載しました。売り手と買い手が半分ずつ負担するので、それぞれ1.5%です。
Escrow.comの決済・預託費用は別途かかり、これも双方で折半します。専用ページが説明する通常4〜6%は、この費用を含む取引全体の合計です。売り手一人が4〜6%を負担するという意味ではありません。
比較した人が、次に何を知りたくなるか
この考え方を自分の事業で試すなら、サービスや道具など、読者が選ぶ必要のある対象を、同じ項目で比べる小さな一覧を作ります。公開してよい情報だけを使い、数字の出典、期間、条件を添えます。
見た人が候補を絞れたか、何が分からずに止まったか、詳しい相談を求めたかを確かめます。読まれても選択に使われなければ、比較項目を直します。その後に何度も出てくる質問が分かれば、追加で引き受ける仕事を考えられます。
Marcから学びたいのは、無料情報と有料商品を、この順番でつなぐ方法です。最初の数字を見せた後にも、相手には確かめたいことが残ります。どの質問まで引き受けるかを考えることが、次の商品づくりにつながります。
出典・確認日
確認日は2026年10月4日。各ページの正確な更新日時は不明です。掲載指標・取引件数は提供側の集計。決済データの独立監査、事業の購入評価、取引は行っていません。