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仕組み採集 Shikumi Field Notes

世界のAI起業家から、次に試す仕組みを集める。

日々の採集 Field note

Liam Ottleyが見せた、判断だけが届く受信箱

今回の焦点Focus

メールを「AIが片付ける・判断が要る・急ぎ」に分け、人は判断待ちだけを見て、新しい判断を記録して次から任せる

3行でわかる

  • Liam Ottleyは11月3日(日本時間)の動画で、架空のコーヒー店のメールをAIに振り分けさせる手順を見せました。
  • 面白いのは、いつもの件はAIが片付け、判断が要る件だけが下書き付きで一か所に届く決まりです。
  • 小さな会社なら、問い合わせメールを三つに分けさせ、人は判断待ちの一覧だけを見る形で試せます。

前回の記事では、友人の会社の投稿づくりをAIの下書きへ移した回を取り上げました。今回は、その翌日に出た動画です。AIの作業場になるアプリ(Kylon)の会社がスポンサーの紹介動画で、例に使う店は本人いわく作り話です。ここでは、製品の話より、メールの扱いの決まりに絞ります。

例は、一人で営むコーヒー豆の店

動画の店は、東オースティンの小さな窓口で、Liamが一人で朝7時から正午まで開けている設定です。豆をネットでも売り始める、という筋書きです。

メールや予定表には、数か月分のデータを入れてあるそうです。最初のAIにサイトとメールと予定表をつなぎ、仕入れ先の単価や、返事をしていない卸の問い合わせを答えさせました。

メールを三つに分ける決まり

次に、受信箱を「右腕役」のAIに任せます。メールを読んで返すのに、本人なら週10時間以上かかるという設定です。

まず、よく来る差出人と、それぞれの扱いを表にして渡しました。そのうえで、メールごとに次の決まりで動かします。

  1. いつものやり取りは、AIのほうで片付ける。
  2. 本人の判断が要る件は、返信の下書きを付けて一つの部屋に送る。本人ははい・いいえを押すだけ。
  3. 大家や税の期限など急ぎの件は、すぐ本人に知らせる。

Liamは、見るのはその一つの部屋だけでいい、と話しています。試しに、客の質問・会計士からの税の期限・迷惑メールの3通を送りました。税の期限は「急ぎ」の印付きで本人に届き、客の質問には返信の下書きが付いていました。

新しい質問への判断を、次から任せる

客の問い合わせには、別の担当のAIを置きます。渡したのは、よくある質問の答えと、これまで本人が返したメールです。

答えが一覧にある質問は、AIが返信します。一覧にない質問は、先に本人に聞きます。その判断を記録し、次からはAIが答えられるようにする、という決まりです。動画の試験では、一覧にある2通は下書きが用意され、本人が送信を押していました。

返金や支払い、値段の変更は「いつも自分が決める」とも話しています。翌朝の報告には、夜の間の作業と、本人の判断が要る5件が並びました。目を通すのは5〜10分で済む、という本人の説明です。

編集部が注目したのは、任せる範囲を先に三つに分けている点です。分け方が決まっていれば、人が見る量は判断待ちの件だけに絞れます。新しい判断を記録していけば、任せる範囲も少しずつ広がります。

自分の仕事で試すなら

ここからは編集部の提案で、まだ試していません。問い合わせメールが毎日届く会社で試せます。

  1. 過去1か月の問い合わせメールと、よくある質問の答えを用意します。
  2. AIに各メールを「答えが一覧にある・判断が要る・急ぎ」に分けさせ、前の二つには返信の下書きを付けさせます。
  3. 人は分け方と下書きを確かめ、判断した内容を答えの一覧に書き足します。

この問い合わせメールを、「よくある質問で答えられる」「私の判断が要る」「急ぎ」に分けてください。
前の二つには返信の下書きを付け、分けた理由を一行ずつ書いてください。
メールの送信はしないでください。

分け方の直しが数件で済めば、一回分は完了です。送信までAIに任せるかは、何度か試してから決めます。

確認できていないこと

  • 動画のメールや数字のうち、どこまでが実在のデータか。店は作り話と本人が話しています。
  • AIが自分で送ったメールがあったか。動画の試験では、本人が送信を押していました。
  • 振り分けの誤りがどのくらい出たか。動画では示されていません。
  • 人を雇う場合と比べた費用の話は、本人の見積もりとスポンサーの製品の紹介を含むため、この記事では扱っていません。

出典

日付は日本時間。動画の内容は英語の自動字幕と説明文で確認しました。確認日:2026年11月7日。